半導体製造装置は、現代の電子機器や通信機器の中核を担う欠かせない機械です。本記事では、半導体製造装置とは何かについて深く掘り下げ、半導体の製造工程やその分類について徹底解説します。半導体製造装置に興味をお持ちの方や、この分野の知識を深めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。目次半導体製造装置とは?引用元:photoAC半導体製造装置は、電子機器や通信機器の基本となるパーツを作るための機械です。イメージしやすく言えば、これらの装置は未加工の素材を使って、私たちが使うデバイスになる部品を作り出す工具のようなもの。半導体技術は進化が速く、その中で半導体製造装置は特に重要です。なぜなら、これらの装置がなければ、スマートフォンやコンピュータなど、私たちの日常生活で使う機器は作れません。未来に向けて半導体製造装置はますます精密化し、効率的になっていくことでしょう。半導体製造装置は、私たちのデジタルな未来を築いていく上で欠かせないものと言えます。日本の半導体製造装置が世界に占めるシェア率引用元:photoAC日本の半導体製造装置は、世界シェア31%を占め、アメリカの35%に次いで2位です。半導体産業の衰退が叫ばれる中でも、日本は製造装置分野で強い地位を維持しています。その理由は、高度な技術力にあります。半導体製造には1,000以上の工程があり、全ての工程で高いクリーン度と繊細な技術が求められるため、日本の技術力が評価されているのです。出典:経済産業省「半導体・デジタル産業戦略」半導体製造装置の分類表引用元:photoAC半導体製造装置にはさまざまな種類がありますが、分類表に沿って代表的な半導体製造装置を紹介します。大分類機器例半導体設計用装置・パターン入力装置・エンジニアリングワークステーション・回路シミュレータマスク・レチクル製造用装置・レーザ描画装置・スパッタリング装置・マスク異物検査装置ウェーハ製造用装置・単結晶引き上げ装置・切断装置・各種計測系装置ウェーハプロセス用処理装置・コンタクトプロキシミティ露光装置・ドライエッチング装置・高エネルギーイオン注入装置・めっき装置・異物検査装置・ウェーハマーキング装置組立用装置・スクライビング装置・ハイブリッドボンディング装置・バリ取り装置・X線検査装置検査用装置・ロジックテストシステム・アナログテストシステム・トランジスタテストシステム・IC挿入装置・レーザプロセッシングシステム半導体製造装置用関連装置・薬品供給装置・ガス発生装置・流量制御用機器参考:日本半導体製造装置協会公式サイトこれらの半導体製造装置が組み合わさって、先進的で効率的な半導体デバイスの製造を可能にしています。異なるパターンを形成することで、多様な半導体製品が生み出されています。半導体の製造工程引用元:photoAC半導体の製造工程を順番に解説します。この製造工程を経て、高品質な半導体デバイスが完成します。設計シリコンウェーハ製造工程前工程後工程設計半導体製品は、細かい回路や機能を備えた微細な部品で構成されています。この設計段階では、どのような回路が必要であるかが計画され、効果的なパターンを配置。設計には、コンピュータ上で回路がどのように動作するかをシミュレーションし、原版をつくる工程が含まれます。シリコンウェーハ製造工程シリコンウェーハは、半導体製品の基盤となるものです。まず、シリコンインゴットを薄くスライスし、円状にします。これによってシリコンウェーハが誕生します。その後、研磨パッドと研磨剤を使い、シリコンウェーハを研磨し鏡のように磨きます。前工程半導体製造の前工程は、まずウェーハ表面を酸化させ、次にさまざまな材料の薄膜を形成します。その後、フォトレジストを塗布し、光源を使用して回路パターンを焼き付け、不要な部分を現像液で取り除きます。形成されたパターンに従って酸化膜や薄膜をエッチングし、残った不純物を洗浄。イオン注入によって半導体の電気的特性を変化させ、表面を研磨して平坦化します。このフォトレジスト塗布から平坦化までの作業は、何度か繰り返します。その後、ウェーハに金属を埋め込んで電極を形成し、最終的にウェーハ検査を行って電気的な問題がないか確認。これによって、半導体製品の基盤が完成します。【知っておきたい関連情報】シリコンウェーハの作成シリコンインゴットを薄くスライスし、表面を研磨して平坦化します。1枚のウェーハから数百個の半導体チップが作られます。回路パターンの形成ウェーハ表面を酸化させて酸化膜を形成し、その上にフォトレジストを均一に塗布します。フォトマスクを使ってウェーハ上に回路パターンを露光し、現像液で不要なフォトレジスト部分を除去します。エッチングによって不要な部分を削り取り、不純物イオンを注入して半導体素子を作ります。電極の形成電極用の金属をシリコンウェーハに埋め込み、電極を絶縁膜上に引き上げるためにコンタクトホールを開けます。後工程半導体製造の後工程では、まずウェーハをダイヤモンドブレードで切断し、個々のチップに分離するダイシングを行います。次に、配線にあたるワイヤーボンディングを行うことで、チップとの配線が可能に。その後、チップを傷や衝撃から守るために樹脂でパッケージするモールディングを行い、最終検査で何重もの試験を重ねます。異常がないかを確認して不良品を取り除くことで、高品質な半導体デバイスが完成します。【知っておきたい関連情報】ダイシングシリコンウェーハをダイヤモンドブレードなどで切断し、個々のチップに分離します。ダイボンディング切り出したチップを金属製の枠に固定し、ワイヤーボンディングによってチップとリードフレームを金線で接続します。モールディングチップを樹脂やセラミックで包み込み、外部からの衝撃や汚染から保護します。最終検査電気的特性検査や外観検査などの各種検査が行われ、不良品は除外されます。半導体製造装置メーカー・半導体受託製造会社おすすめ5社引用元:株式会社タダシ製作所公式HPここからは、当メディアおすすめの半導体製造装置メーカー3社と半導体製造受託会社を2社ご紹介します。おすすめ半導体製造装置メーカー3社まずは、おすすめの半導体製造装置メーカーを紹介します。1.レーザーテック株式会社引用元:レーザーテック株式会社公式HP会社名レーザーテック株式会社本社所在地〒222-8552神奈川県横浜市港北区新横浜2-10-1電話番号045-478-7111創業1960年事業内容下記製品の開発・製造・販売・サービス・半導体関連装置・FPD関連装置・レーザー顕微鏡公式サイトURLhttps://www.lasertec.co.jp/レーザーテック株式会社は「世の中にないものをつくり、世の中のためになるものをつくる」という経営理念に基づき、革新的な光技術を駆使しています。EUVリソグラフィの実用化や新しい材料・構造の導入により進化する半導体製造プロセスをけん引する存在です。また、半導体製造だけでなく、検査装置やレーザー顕微鏡まで多岐にわたる分野での実績を持ち、お客様のニーズに柔軟かつ幅広く対応しています。【レーザーテックの特徴】光応用技術のコア技術半導体関連装置とFPD関連装置の開発・製造・販売グローバルな展開と上場企業2.芝浦メカトロニクス株式会社引用元:芝浦メカトロニクス株式会社公式HP会社名芝浦メカトロニクス株式会社本社所在地〒247-8610神奈川県横浜市栄区笠間2-5-1電話番号045-897-2421設立1939年10月事業内容FPD製造装置半導体製造装置真空応用装置各種応用装置公式サイトURLhttps://www.shibaura.co.jp/index.html芝浦メカトロニクス株式会社は、半導体製造装置を取り扱う、神奈川県に本社を置く精密機器メーカー大手です。半導体製造用の各種装置や真空応用装置やレーザ応用装置等を製造・販売、半導体関連の洗浄装置を取り扱っており、トップクラスのシェアを誇っています。【芝浦メカトロニクスの特徴】多様な製造装置の提供長い歴史と東芝からの継承グローバルな展開3.株式会社東京精密引用元:株式会社東京精密公式HP会社名株式会社東京精密本社所在地〒192-8515東京都八王子市石川町2968-2電話番号(042)642-1701設立1949年3月事業内容半導体製造装置と精密測定機器の製造販売公式サイトURLhttps://www.accretech.com/jp/株式会社東京精密は、1949年創業に創業した歴史ある企業です。東京精密の半導体製造装置は、ウェーハ製造・加工分野及び、テスト・研削・切断などの各工程のシステム構築をサポートしています。「健康・安全」、「品質」、「環境・省エネルギー」、「全員力」を行動指針として優れた製品を開発・供給しています。【東京精密の特徴】精密測定機器と半導体製造装置の両輪「精密に測る力」に基づく技術力お客様志向と革新性おすすめ半導体製造受託会社2社次に、おすすめの半導体製造を受託できる会社を2社紹介します。どちらも信頼と実績のある会社です。1.株式会社タダシ製作所引用元:株式会社タダシ製作所公式HP会社名株式会社タダシ製作所本社所在地〒552-0013大阪府大阪市港区福崎3-1-100電話番号06-6573-0453設立1980年8月事業内容機械・装置の設計組立、精密機械部品の製作、OEM製作、食品加工機器の製作、医療品関連装置の製作公式サイトURLhttps://www.tadashi-s.co.jp/株式会社タダシ製作所が特に自信を持つのは、40年以上にわたり磨き上げてきた「加工技術」と「精密組立て技術」です。タダシ製作所の技術は高度でありながら、美しさや外観にもこだわっています。ISO品質基準に基づいた独自の製造ガイドラインを採用し、専任の部署による厳格な検査・管理も怠りません。半導体製造装置は、タダシ製作所が得意とする機械づくりの中でも特に重要な分野であり、液晶、電子部品、自動車関連から食品加工、医薬品装置製造まで、多岐にわたるニーズに対応しています。タダシ製作所の取り扱い製品についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。タダシ製作所の概要を紹介!取扱い製品や関連機器メーカーも紹介「半導体製造について専門家に依頼したい」「信頼のできる会社に依頼したい」そんな企業担当者の方におすすめしたいのが、タダシ製作所です。まずは、気軽に相談から検討してみてはいかがでしょうか?タダシ製作所についてもっと詳しく知りたいという方はぜひ公式HPからチェックしてみてください。タダシ製作所の公式HPはこちらから2.株式会社加藤電器製作所引用元:株式会社加藤電器製作所公式HP会社名株式会社加藤電器製作所本社所在地〒402-0225山梨県南都留郡道志村11250電話番号0555-22-6161設立1963年5月事業内容IC製造設備とパッケージの設計開発、及び生産ラインの構築、EMSを目指した各種デバイスの受託生産、医療機器製造受託サービス、システム構築や組込ソフトなどソフトウエア事業など公式サイトURLhttps://www.kdg.co.jp/katoh/1963年設立の株式会社加藤電器製作所は、「絶えまなき進化」をモットーに時代の最先端を行く、エレクトロニクス製品を世に送り出しています。医療機器製造及び半導体・電子部品機器の設計から開発・製造・テストの一貫生産により、「小型化・低コスト・短納期・高品質」を実現。顧客の要望の一歩先を行くサービスを追求しています。【加藤電器製作所の特徴】高い技術力自動化と無人化の推進顧客とのパートナーシップ半導体製造以外にも受託製造について調べている方はこんな記事もご覧になっています。受託製造メーカーの特徴まで解説最後に引用元:photoAC半導体製造装置の分類と、半導体の製造工程について詳しく解説しました。半導体製造装置の導入を検討しているなら、取り扱っている企業選びも重要なポイントです。高度な技術を有する企業としては、タダシ製作所やレーザーテックなどが挙げられます。要望に沿った半導体製造装置を提案してくれる体制が整っているので、ぜひ一度相談してみてください。この記事を読まれている方はこんな記事もご覧になっています。鋳物加工とは?加工の種類から企業ごとの加工事例まで解説