スマイルカーブ現象とは、製造業の中流にあたる製造・組立の収益率が低いことを示す現象です。製品の企画・開発や販売とともに、製造業の中核である中流の収益率向上は、業界全体の課題です。本記事では、スマイルカーブ現象の概要とその攻略方法を詳しく解説します。自社の課題解決の参考に、ぜひご活用ください。目次スマイルカーブ現象とは?引用元:photoAC製造業におけるものづくりの工程は大きく分けて、上流(企画・開発)、中流(製造・製品の組み立て)、下流(販売・保守サービス)の3つに分かれます。上記の工程の事業収益を表すグラフにしたとき、製品を組み立てる中流が最も低く、上流と下流の収益率が高くなることがスマイルカーブ現象です。例えば、製品開発や企画の収益率は高く、機器の組立では大きな付加価値を生みにくいことを指しています。ちなみに高度経済成長期時代は、中流の収益率が最も高かったことが日本の産業界発展に寄与していたともいわれています。スマイルカーブ現象の背景スマイルカーブ現象が顕著になった背景には、以下のような要因があるとされています。グローバル化による製造拠点の海外移転新興国の技術力向上による製造コストの低下消費者ニーズの多様化と高度化実際にどのような産業でスマイルカーブ現象がみられるのでしょうか?スマイルカーブを描く産業とは?スマイルカーブ現象を描く産業としては、主に次のような産業が挙げられます。電子機器アパレル自動車医療機器化粧品食品スマイルカーブにおける段階ごとの役割を解説引用元:photoACスマイルカーブ現象は、前述のように3つの段階に分けられます。段階ごとの役割を1つずつみていきましょう。上流企画・開発を主とする上流工程では、高度な技術と創造力が求められます。新しいアイデアや技術の開発により、模倣や代替を困難にすることで国際的な競争力を保つことが可能です。また、新しいアイデア、技術の開発には、製品やサービスの差別化につながり、価格競争の回避、収益性向上といった効果が期待できます。企画・開発で売上や利益を上げるためには、緻密に計画されたブランドイメージや販売戦略が必要不可欠です。中流スマイルカーブ現象における中流は、部品や原材料を使って製品を組み立てる工程です。既存の技術やアイデアを使うため差別化が難しく、価格競争が激しくなります。また、人件費や設備費がかかり、取引先の都合で収益が不安定になるケースも。スマイルカーブのグラフから分かるように、中流の収益性が低下していることが日本の製造業における課題の一つです。下流スマイルカーブ現象における下流とは、顧客と直接接点を持つ販売・保守サービスのことです。販売員のスキルや販売店のネットワークが重要で、顧客満足度や販売実績に影響します。収益率の低い中流との違いは、社員教育やマーケティングやアフターサービスで差別化したり、付加価値をつけたりすることで収益性をアップできる点です。スマイルカーブ現象の攻略方法引用元:photoACスマイルカーブ現象攻略のためには、中流の製造・製品の組み立ての収益率アップが必要不可欠です。ものづくりの要になっている中流企業が、収益率をアップさせるための攻略法をみていきましょう。IT技術の導入スマイルカーブ現象を攻略して収益率を上げるためには、IT技術の導入が効果的です。例えば、債権債務管理や在庫管理を効率化できるITツールや製造を自動化できる高性能機器を導入することで、人件費をカットして収益性を上げられます。小規模製造業者ではIT技術導入がまだまだ遅れているため、岡山県の「小規模製造業等IT利活用支援補助金」のような補助金を活用した、IT技術の導入を検討しましょう。製造拠点を海外に移すスマイルカーブ現象を攻略するには、製造拠点の海外移転も効果的です。日本よりも人件費や材料費が安い国に製造拠点を置くことで、収益性の向上が見込めます。一方で、海外に拠点を移すことには為替変動や文化の違いといったリスクもあるため、慎重な検討が必要です。上流と下流の攻略上流の商品開発・設計や下流の販売・サービスに注力することで、付加価値を高めることができます。例えば、アップル社は部品や組み立てコストを安く抑え、完成品を高く販売することで莫大な利益を得ています。OEM・ODMを利用上流の企画・開発、下流の販売・保守サービスに強みを持つ企業なら、OEM・ODMの利用も効果的なスマイルカーブ現象対策です。上手くOEM・ODMを利用できれば、製品の組み立て・製造が効率化されるだけでなく、自社ブランドの認知向上や新製品の開発にかけられる時間も増加します。中流の収益改善と上流、下流の収益向上により相乗効果も狙えるのが、OEM・ODMのメリットです。スマイルカーブ現象を攻略できるOEM・ODM企業を紹介引用元:株式会社タダシ製作所公式HPスマイルカーブ現象を攻略して収益性を向上させるには、専門的な技術を擁する企業にOEM・ODMの依頼をしましょう。そこで品質や制度、納品スピードにも定評がある企業をいくつかみていきましょう。1.株式会社タダシ製作所引用元:株式会社タダシ製作所公式HP会社名株式会社タダシ製作所本社所在地〒552-0013大阪府大阪市港区福崎3-1-100電話番号06-6573-0453設立1980年8月事業内容機械・装置の設計組立、精密機械部品の製作、OEM製作、食品加工機器の製作、医療品関連装置の製作公式サイトURLhttps://www.tadashi-s.co.jp/株式会社タダシ製作所は、大阪市に拠点を置く精密機械の設計・組み立てを手掛ける企業です。半導体製造装置に始まり、液晶、電子部品、自動車関連まで幅広い機器・部品のOEM・ODMを手掛けています。スマイルカーブ現象を攻略するのに重要な人材不足や設備不足の悩みをワンストップで解決してくれます。業務を見直して収益率の改善を目指したい製造業者は、OEM・ODMの依頼を検討してみましょう。タダシ製作所の取り扱い製品についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。タダシ製作所の概要を紹介!取扱い製品や関連機器メーカーも紹介「スマイルカーブ現象について専門家に依頼したい」「信頼のできる会社に依頼したい」そんな企業担当者の方におすすめしたいのが、タダシ製作所です。まずは、気軽に相談から検討してみてはいかがでしょうか?タダシ製作所についてもっと詳しく知りたいという方はぜひ公式HPからチェックしてみてください。タダシ製作所の公式HPはこちらから2.株式会社ヤナギハラカメックス引用元:ヤ株式会社ナギハラメカックス公式HP会社名株式会社ヤナギハラメカックス本社所在地〒421-0301静岡県榛原郡吉田町住吉1541番地電話番号(本社)0548-32-1133設立1967年11月事業内容FA・ロボットシステムインテグレーション機械部品加工事業OEM・ODM事業公式サイトURLhttps://www.y-mechax.com/株式会社ヤナギハラメカックスは、半導体や自動車関連部品、産業機械などの部品加工・OEM・ODMを行う企業です。【ヤナギハラメカックスの特徴】高度な自動化技術とロボットシステムの提供一貫生産体制と多様な対応力長い歴史と豊富な経験近年は、生産工程の課題や工場内環境など、製造現場ごとに異なる課題を解決する産業用ロボットの開発にも注力しています。実務や経験に基づく質の高いOEM・ODMに業務効率化を進められる産業用ロボットの導入まで、さまざまなニーズに対応している企業を探しているなら、「ヤナギハラメカックス株式会社」への依頼がぴったりです。ヤナギハラメカックスについてもっと詳しく知りたい方はこんな記事もご覧になっています。株式会社ヤナギハラメカックスとは?概要や事業内容を徹底解説最後に引用元:photoAC製造業におけるスマイルカーブ現象は、産業の根幹でもある製造・組み立ての収益率の低さという課題を示しています。本記事ではOEM・ODMをはじめスマイルカーブ攻略方法を解説しているので、企業情報と合わせて、機器・部品の製造や販売で悩みを抱えている企業は参考にしてみましょう。この記事を読まれている方はこんな記事もご覧になっています。受託ODMとは?メリット・デメリットや受託ODMの流れを解説